« 2006全日本選手権★SP編★ | トップページ | ★Medalist on Ice★ »

2006全日本選手権★FS編★

浅田真央、211.76点で全日本選手権初優勝!!

SP後のインタビューで「パーフェクトな演技をして、トリプルアクセルを跳んで、200点を出して、優勝したい」と語った浅田は、その全てを見事に実現しました。完璧、感動の演技を見ていきたいと思います。少し緊張しているような、何か決意を秘めたような表情でリンクに登場した浅田真央。「チャルダッシュ」が流れ始めると、観客席はしんと静まりかえり、彼女が繰り出す最初のジャンプを待っていました。最初のジャンプとは、ステップから入るトリプルアクセル。今季の公式戦では一度も成功させていない、彼女の今季の課題となるジャンプです。深くステップを踏み、そして絶妙のタイミングで何の恐れも迷いもなく踏み切った浅田真央は、空中で綺麗に三回転半を回り、見事に着氷。全日本選手権で、初めてトリプルアクセル成功!!一気に場内は盛り上がりました。彼女が立てた目標のひとつがクリアできました。このジャンプだけで9.30点を獲得。4回転ジャンプに匹敵する得点です。ここで気を抜くことなく、次のジャンプへと移っていきます。前半は大技を盛り込んでいるので、落ち着きと緊張感をほどよいバランスで保とうとしているのが伝わってきます。続くジャンプはダブルアクセル+ダブルトウループ。本来なら後ろのトウループジャンプは三回転の予定なのですが、ここでは二回転にしてきました。そして次は、トリプルフリップ+トリプルループのコンビネーションを見事に成功。どのジャンプもジャッジから高い評価を受けました。曲調が変わり、サーキュラーステップシークエンスを見せます。新しいコーチの元で磨いたステップは、1年間の成長を感じさせてくれます。音楽との調和にも細部までこだわっているのが見てとれます。続く要素は足換えコンビネーションスピン。軸のブレが全く無い抜群の安定感を保って、しっかりとしたポジションと回転速度を維持して回っていますね。ドーナツスピンや片手ビールマンなどを組み込んだ複雑なスピン構成で、ここではレベル4を獲得しています。曲調がゆったりとした雰囲気に変わると、ショートで見せたような優雅なスケーティングを披露し、ステップからのダブルアクセルを成功。どのジャンプにも言えますが、余裕も高さも着氷後の流れもしっかりしていました。続くトリプルルッツも綺麗に決まりました。ひとつひとつのエレメンツを、美しく丁寧にこなしています。終盤の見せ所のひとつ、スパイラルシークエンス。体の柔らかさや安定感はもちろん、エッジワークも素晴らしいですね。これもレベル4を貰っています。曲調の変わり目にしっかりと決めたトリプルフリップ、これも良かったです。疲れを見せず、丁寧さも最初と変わりません。ここから、観客席の手拍子が止むことはありませんでした。ここからは、速くなる音楽に乗せてスピンを中心に見せていきます。まずはコンビネーションスピン。回転速度が速くても、ポジションワークは綺麗なまま。上質なスピンです。そして、曲にぴったりと合わせて跳ぶトリプルルッツ+ダブルループ+ダブルループ!!これは圧巻でした。NHK杯では回転不足だったり、GPFでは跳べなかったりとここも課題のひとつ、大技のひとつとなっていました。最初のジャンプをループ→ルッツに変更し、昨季よりも難度が上がっています。これは本人も嬉しかったのか、ガッツポーズが見られました。残るはスピンが2つ。レイバックスピンから、彼女の持ち味である片手ビールマンスピンを披露し、最後の要素はフライングシットスピン。最後まで気持ちを抜かず、目標通りの完璧な演技を見せてくれました。フィニッシュと同時に満面の笑みとガッツポーズが自然に飛び出し、観客席はスタンディングオベーション!!今日は花の咲いたような笑顔だけではありませんでした。ファンから贈られた花束を拾い上げて顔を上げた彼女は、こらえきれないといった様子で涙を拭っていました。やっとできた、自分で納得のいく演技。やっと決まったトリプルアクセル。嬉しさや安堵の気持ちが涙となって溢れたのでしょう。失敗しても「次の試合ではがんばりたいです」と語っていた真央ちゃん。でも、苦しかったはず。なぜ本番で跳べないのかと自分で自分を責めていたはず。この涙はきっと彼女の大きな自信となることでしょう。最も心に残る演技でした。

得点はテクニカルエレメンツが76.38という物凄い高得点が出ました。これは、トリプルアクセルを始め難易度の高い要素をしっかり成功させて、なおかつプラスの評価を受けたからでしょうね。プログラムコンポーネンツは64.24とこれもかなりの高得点。3つの項目で何と8点台がついています。フリーの合計は140.62で、もちろんこれは自己ベスト。そして、SPとの合計は211.76!!これもISUに認定はされませんが、自身が持つ世界最高得点を大きく上回りました。200点を越えるという目標も見事達成。そしてもちろん、全日本選手権初優勝!!文句なしの世界選手権代表となりました。コーエン、スルツカヤ、村主などベテラン勢の出ない、フレッシュな世界選手権で、浅田真央がどんな演技を見せるのか、とても楽しみです。

Maonats2
(感動の初優勝、感極まった表情の浅田真央)
↓動画はコチラ↓
浅田真央 2006全日本選手権FS「チャルダッシュ」

2位は安藤美姫。2年ぶりの世界選手権代表権を手にしました。今回は残念ながら肩を負傷したため満足いく演技とはなりませんでしたが、最後まで諦めることなく滑りきりました。彼女のFS使用曲はメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」。力強い滑り出しを見せました。最初のジャンプはトリプルルッツ+トリプルループ。ループは回転不足となって、着氷も乱れてしまいました。続くサルコウジャンプは、4回転を入れるかと注目されましたが、ここではトリプルサルコウにしてきました。これは綺麗に決まりましたね。次はトリプルフリップ。最初のミスを引きずらず、しっかり成功させました。そして、フライングシットスピンではレベル4を獲得。軸のブレない、ダイナミックで美しいスピンでした。ジャンプだけでなく、スピンもゼロからやり直した安藤は、調子が優れなくてもしっかりと体が覚えたスピンを見せられるようになっています。続く要素はスパイラルシークエンス。今季はほとんどの試合でレベル4を獲得しています。ここでもかなり高い評価を受けました。チェンジエッジなどもスムーズにできていると思います。ジャンプ盛りだくさんの中盤に入り、流れを保って跳んだトリプルルッツもしっかりと決まりました。そして、トリプルトウループ+ダブルループ+ダブルループの三連続を成功。彼女のジャンプは回転速度がとても速く、力強さも感じられます。しかし、次のトリプルフリップで転倒してしまいました。ここからだんだん様子がおかしくなってきます。最後のジャンプとなるダブルアクセルは成功しましたが、動きが序盤とは全く違います。弱々しいコンビネーションスピンだなと思っていると、動きが完全に止まってしまいました。諦めてしまうのかと思いましたが、気持ちを立て直して、今季力を注いできたストレートラインステップシークエンスを見せます。観客の手拍子に後押しされ、安藤は余力を振り絞るかのように各エレメンツをこなしていきました。足換えコンビネーションスピンは執念のレベル4獲得。最後はレイバックスピン。しっかりとビールマンスピンも見せました。フィニッシュは疲れきったようにゆっくりと腕を上げ、何とか滑りきることができました。肩を脱臼しながらも頑張れた、言い訳はしたくないと自分に言い聞かせた…これは決していい思い出とかいい経験とは言えないかもしれないけれど、もう一度最初から世界に羽ばたこうとする安藤にとっては、貴重な経験になったと思います。執念で手に入れた世界選手権代表の座。3月までには肩の怪我を治して、万全の状態で世界選手権に臨んでほしいと思います。

Mikinatsfs1
(必死で掴んだ世界選手権出場権!!安藤美姫)
↓動画はコチラ↓
安藤美姫 2006全日本選手権FS「ヴァイオリン協奏曲」

3位は中野友加里。全日本選手権初めての表彰台です。自分の力で、2年連続2度目の世界選手権代表となりました。中野の今季FS使用曲は「シンデレラ」。昨季の「ドン・キホーテ」のように手拍子を貰える明るい曲ではないけれど、自分の表現力を磨き、この全日本選手権では、素晴らしい出来映えを見せてくれました。曲がかかると、引き締まった表情で最初の大技に挑んでいきました。最初はトリプルアクセル。ここは転倒してしまいました。回転不足のため、ダブルアクセルから減点となります。大きな得点ロスではありますが、挑戦したことは良かったと思います。成功率が上がってくるといいですね。続くジャンプは、トリプルルッツ+ダブルトウループ。これは安定していました。とても良かったと思います。コンビネーションスピンは速さがあって素晴らしいですね。彼女はどのスピンでも高い得点がとれる選手です。ステップからのトリプルフリップ、これも綺麗に決まりました。ミスを引きずらず、丁寧に跳んでいたと思います。そのすぐ後のトリプルサルコウ、これも成功。中野はジャンプも正確です。この辺りからだんだんしなやかに「踊る」ような表現ができてきたように感じました。盛り上がっていく音楽に乗って、中野の最大の見せ場であるフライングキャメルスピンを見せます。ドーナツスピンは素晴らしいですね。回転速度と安定感を保ったまま、もういつまでも回っていそうに見えます!!中盤はリンクをいっぱいに使って、体を大きく動かして滑ることができていました。トリプルフリップ+ダブルトウループ、これも良かったと思います。着氷もやわらかでした。その後のフライングシットスピンも安定感がありました。中野らしいスピンを見せ、ひとつひとつのスピンで観客を魅了しています。続く三連続ジャンプ、トリプルサルコウ+ダブルトウループ+ダブルループをしっかりと決めました。音楽との調和も素晴らしかったです。足換えコンビネーションスピンは複雑なスピン構成ながら、回転速度は落ちることなく、ポジション変化もスムーズで綺麗でした。ステップは終盤に入れてきました。全身を使って表現したサーキュラーステップシークエンスでした。これからもっとレベル上げをしてくると思います。表情や手先の表現力も増していたと思います。そして、スパイラルシークエンスでも中野友加里の実力を存分に発揮しています。彼女はスパイラルでもいつも高い評価を受けています。今回もレベル4を獲得。「できることをしっかりとやる」という基本姿勢を崩さず、「いろんなことに挑戦する」ことを忘れない彼女の進歩はどの要素においても素晴らしいと思います。そして、最後の要素はダブルアクセル。しっかりと決めて笑顔のフィニッシュ。最初のミスを引きずらず、最後まで集中力と笑顔を保って、素敵な演技を見せてくれました。

得点は、テクニカルエレメンツは59.94、これは高いと思います。3-3のジャンプがなく、ビールマンスピンも入れなかった上、トリプルアクセルを失敗していますが、他の要素をしっかりと決めた結果の高得点ですね。プログラムコンポーネンツは57.44、「技と技のつなぎ」以外は全て7点台をそろえています。中野もまんべんなく得点が取れる選手ですね。フリーの合計は116.38で、浅田に次ぐ2位。SPとの合計は179.72で総合3位となり、見事に世界選手権代表権を獲得しました。昨年の全日本は思うようにいかなかったものの、GPF3位の成績で派遣された世界選手権。今年はGPF出場ならないという悔しい思いを乗り越えて、一発勝負に挑んでの代表権獲得となりました。世界選手権では、昨年以上の獲得を期待したいと思います。世界の舞台で「Claudine」が見られたらいいなぁ。

Nakanonatsfs
(笑顔で滑りきり、世界の舞台へ!中野友加里)
↓動画はコチラ↓
中野友加里 2006全日本選手権FS「シンデレラ」

女子シングルの世界選手権代表は浅田真央安藤美姫中野友加里の三人。東京で開催される世界選手権には、名実ともに現在日本のスケート界トップの選手が出場します。この中の誰かが表彰台に上がることはほぼ間違いないと私は思っています。浅田は今日のような演技を、大舞台でもできればほぼ間違いない。安藤は肩を治して、各エレメンツを確実に決めていけば初の表彰台が見えてくる、中野は昨年5位の実力者ですから、トリプルアクセルを決めていってメダルを狙ってほしいと思います。昨年以上に期待できる世界選手権になることでしょう。伊藤みどり、佐藤有香、荒川静香に次ぐ世界チャンピオンが誕生するかもしれません。浅田真央の演技を始め、今年の全日本選手権は本当に感動しました。こんな素晴らしい戦いを見せてくれた選手達に感謝したいです♪

Nutspodium2
(全日本選手権メダリストの三人)

|

« 2006全日本選手権★SP編★ | トップページ | ★Medalist on Ice★ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/174407/4843269

この記事へのトラックバック一覧です: 2006全日本選手権★FS編★:

« 2006全日本選手権★SP編★ | トップページ | ★Medalist on Ice★ »