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2006 NHK Trophy★FS編★

今年のNHK杯は、日本人選手が女子シングルの表彰台を独占しました!!
これは本当に素晴らしい。史上初の快挙です。
優勝した浅田真央と2位の村主章枝はグランプリファイナル出場権を獲得し、これで今季グランプリファイナルに出場する6名が決まりました。これについては次回触れていこうと思います。中野友加里は惜しくもファイナル出場はなりませんでしたが、昨年からの成長は止まっていませんね。全日本選手権などでも頑張ってほしいと思います。それではひとりひとりの演技を見ていこうと思います。

優勝は浅田真央。ここで優勝しなければグランプリファイナル進出はほぼ不可能という緊張を乗り越えて見事優勝。これはとても素晴らしかったと思います。今日の彼女には、称えるべきところが盛りだくさん!!できるだけ詳しく見ていこうと思います。

今季のフリー使用曲はヴィットリオ・モンティの「チャルダッシュ」。ハンガリーの舞踊曲で、独特の曲調やリズムのある楽曲です。衣装は黒から赤に変えました。情熱的な曲には赤もピッタリですね。滑走順は10番。この時点で村主も中野も演技を終えていました。

最初のジャンプはステップから入るトリプルアクセル。今季の競技会ではまだ成功はありません。失敗は許されません。ものすごい緊張感の中で跳んでいるはずです。それでも安全策としてダブルにするなどせず、果敢に挑戦しました。ステップアウトこそしましたが、まずは第一の関門を乗り切りました。回転は素晴らしかったです。次はダブルアクセル+トリプルトウループのコンビネーションジャンプ。落ち着いて跳べていました。とても良かったです。スケートアメリカでは、どちらもダブルでしたが、今回はジャンプの構成を大きく変えてきています。まだもう1つ、前半の鍵となるジャンプが控えています。トリプルフリップ+トリプルループの三回転+三回転。これもしっかり決めました。難易度の高いコンビネーションを入れてきましたね。続く要素はサーキュラーステップシークエンス。ストレートラインと違い、リンクに円を描いていきます。これも前よりレベルを上げ、高い評価を受けました。だんだん速さを増すチャルダッシュの名旋律に乗って、複雑なステップを見せました。

次の要素は足換えコンビネーションスピン。これもレベル4の高評価を得ました。得意の片手ビールマンスピンやドーナツスピンなどを盛り込んでいて、難易度の高い組み合わせでした。軸がしっかりしているのが特にいいですね。曲調が変わって、優雅なスケーティングからの流れをそのままに、ステップを入れて跳んだダブルアクセル、これは真上に綺麗に上がって回転していましたね。GOEでも大きく加点されています。続くトリプルルッツも成功。高さと余裕がありました。スパイラルシークエンスは、柔軟性の高さを生かしてじっくりと見せてくれました。これもかなり高い評価を受けています。ぐらつかず、安定感と余裕がありますね。そしてすぐに跳んだトリプルフリップはとても綺麗!!音楽ともしっかり調和していました。疲れを見せず、ジャンプを確実に決めています。再びチャルダッシュらしい旋律に戻った曲に乗って、終盤に入っていきます。コンビネーションスピンは全くぶれません。ポジションもしっかりしていて、安定感は抜群です。そして、音楽に合わせての三連続ジャンプ。トリプルルッツ+ダブルループ+ダブルループ。これは2つ目のループジャンプが少し危なげで、回転不足もありましたが、大技を成し遂げました。前は最初の三回転もループを跳んでいたのですが、より難易度の高いルッツに変更しています。ジャンプは全てまとめました。残るはスピン2つ。自分を励ますような表情が見えます。テレビの前で祈るような気持ちでした(笑)観客の手拍子は終盤鳴り止みません。レイバックスピン⇒ビールマンスピンでは少し疲れが見えたかな?とも思いましたが、美しいレイバックスピンと彼女ならではの片手ビールマンスピンを見せてくれました。レベル4を獲った最後のフライングシットスピンを終えて顔を上げた彼女は、達成感に満ちた笑顔を浮かべていました。

得点はテクニカルエレメンツが何と、70.18!!ものすごい高得点です。トリプルアクセルが綺麗に決まって、最後の三連続ジャンプもしっかり跳んでいたら一体どんな点数だったんだろう…?と思ってしまいますね。プログラムコンポーネンツも59.84という高得点。もちろん5項目全てに7点台がつきました。フリーの合計は130.02とパーソナルベストを大きく更新。そしてショートプログラムとの合計得点は199.52、これはなんと世界最高得点!!スルツカヤが持っていた記録を塗り替えました。もしかすると近いうちに200点を越えてくるかもしれません。そして、2位の村主に約20点差をつけての断トツ優勝。もうこれは文句なしの優勝です。

今日の彼女は、もちろん完璧ではありませんでした。緊張や焦り、疲れもあったはずです。そんなときに、気持ちを落ち着けてひとつひとつのエレメンツに臨んでいけたことが最も評価したい点ではないかなと思います。いつものスピードでは無理だ、たとえスピード感が欠けたとしても1つ1つミスをせずに決めていきたいという思いを持っていたと思います。慎重さもすごく伝わってきました。これは今後の浅田真央自身にとって大きな自信になっていくと思います。追い込まれたときに落ち着いてスケートに取り組み、結果を出すことができた、ということが。ファイナルでは完璧な演技を見せてくれることを、胸の中で期待したいと思います。

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(最高の笑顔でGPF進出を決めた浅田真央)

動画はコチラ↓
浅田真央 2006 NHK Trophy FS「チャルダッシュ」

準優勝は村主章枝。彼女もグランプリファイナル出場権を得ました。
彼女らしい確実な演技を見せて、昨年に続く貫禄の準優勝となりました。村主の今季フリー使用曲は、カール・ジェンキンス作曲の「ファンタジア/魂の歌」です。声をヴォーカルではなく楽器のひとつとして使った、オリジナルの楽曲だということです。薄い紫とオレンジを合わせた衣装にもこだわったようです。直前の6分間練習後すぐという滑走順での登場となりました。冒頭から彼女の表現力を前面に押し出していきます。最初のジャンプはトリプルルッツ+ダブルトウループのコンビネーション。余裕があってとても良かったです。2つ目のジャンプ、トリプルフリップも素晴らしい。ジャッジからも大きく加点されています。続くトリプルトウループもしっかり成功させました。次は足換えコンビネーションスピン。軸がぶれず、回転も速く、安定感があります。これはレベル4の評価を受けています。

曲調が変わった中盤、パントマイムのような動きや表情で表現力の高さをアピール。リンクをいっぱいに使った力のあるスケーティングの後、トリプルルッツを成功。高さがありました。続くトリプルフリップ+ダブルトウループも綺麗に決まりましたね。そして、スパイラルシークエンス。足を高く上げるだけではない、質の高いスパイラルです。ここでもレベル4を獲得。かなり高い評価を受けています。流れをしっかり持って、ダブルアクセルをしっかり決めてきました。続くフライングシットスピンもレベル4。オールマイティーに得点を重ねていけるのが、村主のすごいところです。最後のジャンプ、トリプルサルコウが残念ながら1回転になってしまいました。村主はサルコウジャンプがあまり得意ではないようで、カナダ大会ではダブルアクセルに差し替えていました。このミスは残念でしたね。そして、もう一度フライングシットスピン。終盤にさしかかってもスピンの精度は落ちません。だんだん盛り上がっていく音楽にもしっかりと乗っています。ストレートラインステップシークエンスでは、細やかなフットワークと複雑で力強い身のこなしを見せています。レベルを上げるのが難しいと言われるステップでも、彼女は高い評価を受けています。そして最後は足換えコンビネーションスピン。疲れを感じさせない、素晴らしいスピンでした。彼女の持ち味である高速スピンを披露して、演技を終えました。

得点は、テクニカルエレメンツが58.03、プログラムコンポーネンツは59.36で、合計117.39でした。やはり難易度の高いジャンプやビールマンスピンを持つ浅田真央には技術点はどうしても及びませんが、演技構成点のほうはほとんど差がありません。上にも書いたように、オールマイティーに得点を重ねられる点は彼女の大きな強みですね。ショートプログラムとの合計は179.31で、浅田に次ぐ第2位。ここ一番で素晴らしい演技を見せて、グランプリファイナル出場権を手に入れました。ファイナルでは村主にはない三回転+三回転やビールマンスピンを持つ安藤美姫や金妍兒、そして浅田真央がライバルです。確実な演技+「何か」が、メダル獲得に向けて求められるのではないかと思います。

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(グランプリファイナル出場権を獲得、2位の村主章枝)

動画はコチラ↓
村主章枝 2006 NHK Trophy FS「ファンタジア、魂の歌」

三位は中野友加里。昨年はNHK杯優勝、グランプリファイナル出場(銅メダル獲得)となりましたが、今年は惜しくもファイナル出場は叶いませんでした。まだまだ大会はありますから、ぜひそこでリベンジを果たしてほしいと思います。中野の今季フリー使用曲は、バレエ音楽「シンデレラ」です。昨年急成長を見せて、世界選手権初出場第五位という快挙を成し遂げたシンデレラガールにぴったりの曲ですね。ジャンプやスピンはもちろん、表現力にも磨きをかけて、このフリーに臨みます。最初のジャンプはトリプルアクセルのはずでしたが、残念ながら失敗。トリプルアクセルの基礎点は7.5点ですが、これは1回転半にも認定されないため、得点は何とゼロ。とても痛い得点ロスとなってしまいました。中国杯ではここをダブルアクセルからのコンビネーションジャンプに変更して安全策をとりましたが、今回はトリプルアクセルに挑みました。次は、トリプルルッツとダブルアクセルのジャンプシークエンス。これはコンビネーションジャンプとは異なります。2つのジャンプの間につなぎが入っていますね。ここはしっかり決まりました。ミスを引きずらず、すぐに立て直せていますね。続くコンビネーションスピンは、昨日の失敗を少し気にしているようにも見えましたが、出来は良かったです。その後のトリプルフリップも高さがあってとても綺麗でした。トリプルサルコウもしっかり決まりました。スピンだけでなく、彼女はジャンプのレベルも以前より上がっていると思います。そして、彼女の見せ場であるフライングキャメルスピン。ドーナツスピンも見せています。これからまた高いレベルをもらえるようになっていくといいですね。次に入れたトリプルループは1回転になってしまいました。これも大きな得点ロスになってしまいます。彼女はループジャンプがあまり得意ではないんですね。中国杯でもループでミスが出ました。ここは音楽ともよく合っているので、これからはぜひ決めていきたい場所です。それでも流れを止めることなく、次へ次へと進んでいけました。曲調が変わり、美しいフライングシットスピンを披露しました。回転速度が本当に速い!!終盤にさしかかったところで、三連続ジャンプ。トリプルサルコウ+ダブルトウループ+ダブルループです。これは勢いがあってよかったと思います。だんだん盛り上がっていく音楽に乗せて、足換えのコンビネーションスピン。チェンジフットもスムーズで、回転速度も安定感も文句なしですね。そして、サーキュラーステップシークエンス。ステップはもう少し工夫があればいいかなと思います。上体の動きや複雑なフットワークを入れられるようになると、レベルも上がってきますね。スパイラルシークエンスはかなり高い評価を得ました。安定感があって、質の高いスパイラルだと思います。彼女もいろんな要素で得点が取れるようになってきましたね。最後の最後にタイミングよくダブルアクセルを跳んでフィニッシュ。ミスをしっかりカバーして、いい演技でした。

得点は、テクニカルエレメンツが48.39と少し低め。やはり、最初のトリプルアクセルの失敗やトリプルループが1回転になったことなどが大きく影響しています。プログラムコンポーネンツは55.68、7点台も取れています。合計は104.07、ショートプログラムの得点も合わせると160.93で第三位。惜しくもグランプリファイナル出場はなりませんでした。それでも、プレッシャーの大きかった中でよく頑張って、素敵なスケートを見せてくれたと思います。安藤や浅田らより一足先に全日本選手権に向けての調整を始めていってくれることでしょう。

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(惜しくもGPF2年連続出場はならず。三位の中野友加里)

動画はコチラ↓
中野友加里 2006 NHK Trophy FS「シンデレラ」

NHK杯は、男女シングルで日本人選手が表彰台を独占。
グランプリファイナルにも計5人の日本人選手が出場します。今、フィギュアスケートシングルでは、間違いなく日本のレベルが一番高いということを如実に物語っていると思います。この熱をバンクーバーまで下げることなく、保ち続けていってほしいと思います。本当に心に残るNHK杯でした。グランプリファイナルが楽しみです!!

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(表彰台を独占した日本人女子、村主・浅田真央・中野)

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