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2006 Grand Prix Final★FS編★

2006Grand Prix Finalは大波乱となりました。
SPでも村主章枝ほかがバスでリンクへ向かう途中に渋滞に巻き込まれるといったハプニングはありましたが、競技中の選手にここまで色々起こることはないに等しいでしょうね。体調不良の選手の多さも目につきました。そんな中、女子シングルで優勝したのは…

韓国の16歳、金妍兒!!

本当に今年の彼女はすごかった。シニア世界大会初挑戦となったスケートカナダでいきなり三位となり、表彰台に。GPF出場権争いにいち早く入り込みました。安藤を始め世界の強豪が揃ったフランス杯では、その強豪をおさえて初優勝を飾り、GPF出場を決めました。そしてこのGPF、ミスをして崩れていく他選手に影響されることなく、ほぼミスのない演技で見事初出場初優勝を達成!!昨年の浅田真央に匹敵する快進撃を見せました。

その金妍兒のフリーから見ていきましょう。彼女の今季FS使用曲は「あげひばり」。淡い水色の清楚な衣装で、情熱的で力強いタンゴとは対照的な、やわらかさや優雅さ、そしてしなやかさを見せます。集中を高めているような様子でリンクに登場。首位で迎えるよりも、やりやすかったかもしれませんね。ゆったりとした「あげひばり」の曲が流れはじめると、全身を使ったゆるやかなスケーティングを披露。最初はトリプルフリップ+トリプルトウループのコンビネーションジャンプ。これはとても素晴らしかったです。高さと流れがあって、音楽との調和も良かったですね。GOEで大きく加点されました。そして、彼女の持ち味であるイナバウアーからのダブルアクセル。トリプルトウループとのコンビネーションは見送ったようです。衣装から覗く腰のテーピングが痛々しいですね…。続く要素はレイバックスピン⇒ビールマンスピン。安定感抜群ですね。特にビールマンは、腰の痛みを感じさせないしなやかさでした。そして、次のトリプルルッツも綺麗に決まりました。ひとつずつ得点を重ねていけています。落ち着いた滑りですね。滑走順も良かったのかもしれません。キャメルスピンでは、上を向いてのスピンやドーナツスピンを見せました。とても美しい出来だったと思います。レベル4を獲得していますね。中盤にストレートラインステップシークエンスを入れています。もう少しステップでレベルを上げていけるといいかなと思います。スローテンポの曲なのでフットワークづくりが難しいのかもしれないですけどね。それでも、曲としっかり合わせた表現ができていて、良かったと思います。そして、トリプルルッツ+ダブルトウループ+ダブルループの三連続コンビネーションジャンプをしっかりと決めました。三連続ジャンプの最初が、難易度の高いルッツジャンプなので、得点も高いですね。これは特に加点や減点を受けなかったのですが、このジャンプで9.68点(3-3よりも基礎点は高い!!)を獲得しています。次はフライングシットスピン。ポジション、回転速度、安定感ともに素晴らしかったと思います。これもレベル4を獲得。金妍兒や浅田真央はジャンプだけではなく、こういったスピンなど他要素でも高得点が取れるんですよね。続くジャンプはダブルアクセル…これはステップアウトしてしまいました。惜しいですね~!!ここまでかなり順調にきていたので。いつも後半にスタミナ切れしてしまうのですが…今回はどうか。ミスがあっても動揺せず、素晴らしい表現力たっぷりのスケーティングを見せてくれました。ジャンプもスピンも何もなくても絵になるスケーターですね、彼女は。そして疲れが出てくる終盤に入れたトリプルサルコウ+ダブルトウループを綺麗に決め、ミスの引きずりもスタミナ切れもしていないことをきっちり証明しました。このGPSではサルコウでミスが出ることもあったのですが、大舞台でしっかり成功させました。スパイラルシークエンスは、盛り上がりを見せる曲調に乗って、綺麗な姿勢を保っていました。少し、腰の不安が見てとれたような気もしましたが…。このスパイラルでもレベル4を貰っています。スパイラルからの流れをそのままに跳んだダブルアクセル、これはとても良かったです。着氷が柔らかで、疲れの色も見せません。最後は足換えコンビネーションスピン。最後まで気を抜かず、美しいスピンを披露しました。難しいスピン構成をしっかりこなしていましたね。大きなミスのない、優雅で素晴らしい演技でした。

得点はテクニカルエレメンツ(技術点)が61.78、やはり3-3を含めてジャンプを確実に跳べたこと、そしてスピンやスパイラルでも高得点を得たことでこの点数が出ています。プログラムコンポーネンツは57.36、全項目7点台を揃えました。シーズン序盤は全て6点台だったこともありましたからねSPとの合計は184.20で見事初出場で初優勝を決めました。この得点は決してGPF優勝の得点としては高いものではないし、安藤や浅田が崩れたというのも確かに勝因のひとつではあるけれど、周りが総崩れの中でも自分の精一杯の演技を持ってきて出し切ったこの金妍兒を、私は称えたいと思います。大きく成長した証です。それに、もし安藤や浅田が本調子であっても、キムも彼女達と互角に戦ったはず。今日は最後までスタミナを維持して、大きなミスなく乗り切ったことがいちばん評価したいポイントではないかと思います。この時点でまだ浅田と安藤は登場していなかったのですが、自分の得点に頷いて満足している様子でしたね。今季、首を傾げる場面もありましたからね。来季こそ本当の勝負になってくると思いますが、その表情に秘めた負けん気の強さ、精神力の強さで乗り越えてほしいと思います。おめでとう!

Yunagpffs
(GPF優勝は初出場の金妍兒!)
↓動画はコチラ↓
金妍兒 2006 Grand Prix Final FS 「あげひばり」

2位は浅田真央。昨年は今年の金妍兒と同じように、シニア世界戦初参戦、GPF初出場初優勝を飾った彼女でしたが、今季は大いに苦しみ、そして成長しました。私は浅田真央というスケーターの滑りが本当に大好きで、いつも心から応援しているのですが、今季は「これでいいんだ」という思いで見つめていました。自分でも驚くほど思うようにいかなかったCampbell's、笑顔が出せず「悔しいです」と口に出したスケートアメリカ、追われる立場でも負けなかったNHK杯…彼女は今までにないような失敗をしながらも、今までにないほど今季で成長したと思います。そんな中で、彼女が勝ち取ったのがこの、GPF準優勝という結果だと思います。これからの真央ちゃんに、いつか誇ってほしい準優勝だと私は考えています。いろんな自分に気づいた06-07のこと、彼女はきっと忘れないと思います。何もかもがうまくいった05-06よりも心に残ったはずです。

浅田真央のフリーを見ていきましょう。曲が始まって、スケーティングを見せていきますが、何となく元気がないように見えます。最初のジャンプは、今季の課題となったステップから入るトリプルアクセルでしたが、惜しくも転倒してしまいました。その上、これは回転が足りていなかったので大きな得点ロスとなってしまいました。続くジャンプはダブルアクセル+トリプルトウループ。伊藤みどりは「私ならここでトリプルアクセル…」という強気の発言。さすがすごいですね~!!このジャンプは良かったと思います。次は三回転+三回転の予定でしたが、ここはトリプルフリップのみ。後ろに入れるはずのループが跳べませんでした。そして着氷が乱れてしまったので、GOEでも減点。ミスが続いてしまいました…。次の要素はサーキュラーステップシークエンス。物凄い手拍子でしたね。でもいつものような元気はなく、音楽には乗っているけれども「こなしている」感があるように思えてしまいました。NHK杯では高い評価を受けたこのステップですが、ここではレベル2にとどまりました。そして、足換えコンビネーションスピン。これは良かったと思います。でも、レベル4は取れませんでした。そして、ダブルアクセルはきっちり成功。立て直してきたように思えていたのですが、続くトリプルルッツで転倒。そしてこれも回転が足りていなかったですね…。ルッツで失敗するというのは彼女には珍しいことだと思います。そして、これも大きな得点ロスになってしまいました。ダブルルッツ扱いで転倒ですから、1点台になってしまっていると思います。スパイラルシークエンスも顔に少し疲れが見えてきていました。それでもしっかりとした安定感を保って、質のいいスパイラルを見せていましたね。これもレベル3止まりとなってしまいました。終盤は「何とか乗り切るぞ!」という気持ちが伝わってきました。このトリプルフリップはシークエンス扱いですね。でも、成功しています。チャルダッシュの有名な旋律に乗って見せるコンビネーションスピン。これは安定感も回転速度もあって良かったと思います。そして、最後のジャンプはトリプルルッツ。これは三連続コンビネーションを跳ぶ予定でしたが、後ろのダブルループ2つは跳びませんでした。最後はスピンを見せます。レイバックスピン→ビールマンスピン、これは良かったですね。本人は後のインタビューで「(スピンの)回転数を数えるのを忘れていた」と言っていたように、これも今回はレベル3となりました。最後の要素はフライングシットスピン。回転速度が遅くなりがちなフライングシットスピンですが、彼女はしっかりとした安定感と回転速度があってとても良かったです。今日唯一のレベル4を獲得しました。他の大会ではほとんどレベル4がついていましたから、技術点に出る影響は大きいと思います。演技が終わって、観客にしっかりと挨拶をしながらも、浅田真央の顔に笑顔はありませんでした。体調が悪い中一生懸命頑張れたことを、自分の自信にしていけるはず、と私は思います。

得点は、テクニカルエレメンツが48.14と彼女にしてはかなり低いですね…。これはジャンプの転倒、予定していたジャンプの変更、スピンやスパイラル、ステップでのレベルダウンが影響していると思います。NHK杯の時は70点台だったことを考えると、今日の調子の悪さがよく分かります。そして、プログラムコンポーネンツは57.04でした。調子が悪い中でも、全項目7点台を揃えてきました。フリーの得点は103.18と首位の金妍兒を15点ほど下回りました。フリーだけの順位では金、マイアー、村主に次ぐ4位となります。SP得点との合計は172.52、金妍兒に10点以上及ばず、総合2位となりました。これは日本人選手の中で最上位となるので、世界選手権へスケート連盟強化部から推薦されることになるはずです。インタビューの声や話し方は痛々しいほど。苦しい中で本当によく頑張ってくれたなぁ…と胸が熱くなりました。全日本、世界選手権と続くけれど、まずはGPS終了お疲れ様でした!!休息の時間があるといいな。

Maogpffs
(体調不良の中勝ち取った大きな2位、浅田真央)
↓動画はコチラ↓
浅田真央 2006 Grand Prix Final FS「チャルダッシュ」

三位に入ったのはスイスのサラ・マイアー。アメリカ大会4位、ロシア大会では優勝で掴んだ初のGPF出場。昨季は五輪や世界選手権でも活躍し、ここに来て大舞台での表彰台に上がることができました。正直、表彰台候補とは思っていませんでしたが、新しく活躍する選手が出てくるのはとても嬉しいことです☆そして四位に村主章枝。SPで5位と出遅れましたが、FSで順位を上げました。ただ、三回転ジャンプがダブルやシングルになるミスが目立ったのは残念でした。6位はハンガリーのユリア・セベスチェンでした。ごめんなさい、見てませんw

今シーズンの活躍は、昨年の悪夢のような不調を全て忘れさせるほどだった安藤美姫。このGPFでも優勝候補のひとりであり、表彰台は間違いないと思われていました。過去のGPFはいずれも4位で表彰台を逃しており、「今度こそは」という気持ちで臨んだのですが、結果はまさかの総合5位。フリーの得点だけでは6人中6位となってしまいました。三回転ジャンプが4度もシングルになってしまうというミスが原因となりました。そして、今季力を入れたストレートラインステップでも疲れが出てレベルはわずか1…。体調も悪かったようですし、フランス杯から調子は少し落ちてきていたようです。次の全日本選手権ではぜひ笑顔を見せてほしいと思います。まだまだ持てる、挑戦者の心。大切にしてほしいと思います!!(動画へGO!!)

Mikigpffs
(体調不良が大舞台での演技に影響…5位の安藤美姫)

こうして、06-07Grand Prix Finalは幕を閉じました。
女子シングルの結果は、
優勝 金妍兒
2位 浅田真央
3位 Sarah Meierとなりました。

金妍兒の鮮烈なシニアデビュー、浅田真央の挑戦と苦悩、復活を見せた安藤美姫など、本当にスケーター達のいろんな姿が見られたGPSだったと思います。次の大舞台は世界選手権。今年の開催地は東京です。これはますます日本の選手達の活躍が期待されます!!そして、全日本選手権も間近に控えています。浅田真央が世界選手権の代表に内定するので、女子代表3枠の残り2枠をかけて争われることになります。前年見事な逆転優勝で五輪代表権を獲得した村主章枝が今年も意地を見せるのか、復活した安藤美姫が久しぶりの世界選手権代表の座を掴むのか、惜しくもGPF出場はならなかった中野友加里が2年連続代表権を獲得するのか…ますます楽しみになってきます。

次は全日本選手権SP編でお会いしましょう^-^*

06gpf_1
(笑顔の金とマイアー、決意を秘めたような浅田真央)

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