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2006 Skate Canada★FS編★

スケートカナダは男女ともに一発逆転劇で幕を閉じました

まず男子に軽く触れておきます。男子はショートプログラム7位のステファン・ランビエールがフリーでトップに立ち、高橋大輔を振り切っての逆転優勝。でも、昨シーズンと同じ「四季」だった上、フリーでもミスが目立ったため、完璧な演技とはいえない出来でした。高橋は2度の転倒が残念でした。1つは跳べずに転倒…。やっぱり首位で迎えたということもあって、フリーでは緊張してしまったのかもしれませんね。ショートプログラムの三回転+三回転のジャンプなどはとても綺麗で、ステップの魅力にも磨きがかかっていますから、NHK杯ではぜひ頑張ってほしいです。ライバルであり、スケートアメリカ優勝の織田信成との対決になりますからね。それにランビエールとの再対決にもなります。NHK杯は面白くなりそう!!

女子はショート5位のジョアニー・ロシェットが逆転優勝。村主章枝は2位。そしてショートプログラム首位の金妍兒はフリーでミスが出て3位になりました。それでは、まず2位の村主の演技から見ていきたいと思います。

フリーの曲は「Song of the Spirits/Fantasia」だそうです。馴染みはありません…。すごくこだわって作ったそうなのでいっそう楽しみにして見てみたいと思います。人の声が流れてきたときは「これ大丈夫かな?」と思いましたが、音楽の違反による減点はありませんでした。ボーカル入りの曲を使ってもいいのは、シングルではエキシビションだけなんですね。でもこれは何か言葉(どこかの国や地方の言語)を音楽に載せて歌っているわけではないのでOKなのでしょうか。何だか神秘的な感じのする曲ですね。最初のジャンプはトリプルルッツ+ダブルトウループのコンビネーション。余裕を感じさせてくれる綺麗なジャンプだったと思います。次のトリプルフリップは高さも流れもあって良かったです。高い評価を受けました。トリプルトウループも良かったです。本当にミスのない、安定感抜群の演技をしてくれますよね。足換えのコンビネーションスピンはチェンジフットも自然、回転速度が落ちることもありませんでした。顔の前まで足を上げてくるスピンも入れていましたね。

フライングシットスピンの後、一瞬音楽が止まったと思うと雰囲気ががらっと変わります。パントマイムのような動きや表情をしていますね。そしてトリプルルッツを成功。続けてトリプルフリップ+ダブルトウループのコンビネーションを綺麗に決めました。安心して見られますね。助走が長くてダイナミックさはないかもしれないけど…。彼女の見せ場の一つである、スパイラルシークエンスのあとは、流れに乗ってのダブルアクセル。ダブルアクセルをプログラムの中に2回入れていますね。トリプルループやトリプルサルコウを抜いています。そしてもう一度フライングシットスピン。安定感があります。最後のジャンプはダブルアクセルダブルトウループジャンプシークエンス(2つのジャンプは一連の流れになっているが、ジャンプの間につなぎが入っている)だったのですが、前のアクセルがシングルになってしまいました。これが唯一のミスでしょうか。終盤のストレートラインステップシークエンスには若干の疲れが見えたかのように私は感じましたが、最後に入れた足換えのコンビネーションスピンでは綺麗なポジションと安定した回転速度を見せてくれました。これからNHK杯、全日本選手権と見ていくうちにしっくりくるプログラムになりそうです。

得点はTES 54.56 + PCS 55.68 = 110.24でした。そして、ショートプログラムとの合計得点は169.06となっています。初戦で堂々の2位。まだまだシーズン序盤。NHK杯や全日本選手権でまた素晴らしい演技を見せてくれると思います。ただ本人は「現代版シンデレラを表現…」というように言ってたけど、私はどのあたりがそれを表していたのかちょっとわかりにくかったです。

Suguri
(世界選手権を見据えて。2位村主章枝)

村主章枝 2006 Skate Canada FS「Song of the Spirits/Fantasia」  (YouTube動画)

そして、ショートプログラム首位のキム・ユナは総合三位となりました。でも、初めてのシニア世界大会で銅メダルを獲得するのはすごいですね。天才はやっぱり違うなぁ…と思わせる選手のひとりです。浅田真央は昨年のカップ・オブ・チャイナ(中国杯と表記することもあり)でシニアデビュー戦2位(1位スルツカヤ、3位荒川静香と超ハイレベル!!)という成績でした。ショート首位から総合三位…どんなことが起こったのか?詳しく見てみましょう。

赤と黒の情熱的な衣装だったショートからがらっと雰囲気を変え、フリーは淡い水色の衣装を着て登場しました。よく似合っています。表情を見ていても、16歳の幼さはあまり感じませんね。ライバルの真央ちゃんも急速に大人びてきましたが、彼女の落ち着きにはまだまだかないません。曲は「あげひばり」と出ていますが、テレビ局によって曲の表記が違ったりするのではっきりとはわかりません。最初のジャンプはトリプルフリップ+トリプルトウのコンビネーション。これはとても美しいジャンプでした。ジャッジからも高い評価を受けています。スケーティングの優雅さも素晴らしい。そして、イナバウアーからのダブルアクセル。これは流れがあって綺麗でした。技と技の間の流れがとっても重要で、彼女が持つ「流れ」は本当に自然なんです。そして、レイバックスピン→ビールマンスピン。これはレベル4です。高い評価を受けるに値するスピンですね。ここまでは完璧!!このまま初戦で優勝か…と思ったのですが、次のトリプルサルコウで着地が乱れてしまいます。次のキャメルスピンは、ミスを引きずらす綺麗でした。ストレートラインステップはとても滑らかでした。こんなスローテンポの曲であれば、サーキュラーステップでも綺麗かなぁと思ったり。本当に金妍兒は所作の美しい選手ですね。そして、トリプルルッツを余裕を持って成功。ミスを引きずらないのがいいですね。続くフライングシットスピンはややマイナスの評価をされました。そして、次のダブルアクセル+トリプルトウという難しいコンビネーションに失敗してしまいました。バランスが崩れて手をついてしまったんですね。ダブルアクセルの後ろのジャンプが三回転というのは滅多に見られません。決まると大きかっただけに、惜しい失敗です。これで心が乱れてしまったのか、続くトリプルルッツは回転が足りなかった上に転倒。大きなロスになってしまいました。少し疲れてきてしまっているようにも見えますね。スパイラルシークエンスではいつもより足を下ろすのが早かったり、ビールマンポジションのときに手が離れてしまい、足が落ちてしまうというミスもありました。最後のジャンプはダブルアクセル。ここはリカバリーできました。彼女も浅田真央同様トリプルアクセルを跳んでくるようになると思います。最後の足換えコンビネーションスピンは良かったです。少し首を傾げ、悔しそうな顔をしましたが、もう「次こそは」という表情になっていましたね。表現力は場を踏むごとに上がっていっています。あとは、メンタル面なのかなぁ。若い選手ですからね。それにしても素敵なプログラムだなぁと思います。ユナの優雅さが生かされていますね。フランス杯でも見るのが楽しみです。

フリーの得点はTES51.60+PCS55.20=105.80でした。これは4位という得点になります。スケートアメリカの真央ちゃんと全く同じ展開になりました。今年のGPSでの直接対決は見られませんが、2人とも2試合目(ユナ:フランス杯、真央:NHK杯)で結果を出して、ファイナルで直接対決してくれたらいいなぁ…なんて思います。ショートプログラムとの合計点は168.48で、村主章枝にもう一歩及びませんでした。あああと1つジャンプが決まっていれば…という僅差です(村主は169.06)。でもまだまだ可能性をたくさん秘めていますから、フランス杯の頃にはまたひとつスケールが大きくなっていることでしょう。フランス杯は厳しい戦いになります。スケートアメリカ優勝の安藤美姫、スケートカナダ優勝のロシェット、現世界チャンピオン(スケートアメリカ2位)のマイズナーとの対決になりますからね。でも、ぜひ表彰台を狙っていってほしいです。

Kimyuna1
(デビュー戦三位と大健闘!!16歳の金妍兒)

キム・ユナ 2006 Skate Canada FS「あげひばり」

そして、優勝したのは地元カナダのロシェット。
彼女、私より1歳年上なだけなんですね!!表彰台の写真を見てもわかるように、かなり堂々としていて「ベテラン」っていう感じに見えます。Rochetteという名前からも推測できますが、フランス語圏であるモントリオール出身の21歳です。身長も高そうに見えるけど、これも私とほぼ同じ157cmだそうです。意外!!彼女のことを初めて見るという方も多いかもしれませんが、トリノ五輪では5位入賞という成績を残していますし、グランプリファイナリストの経験もある選手です。もちろんカナダではトップの選手。力強くて美しく、エレメンツは基本に忠実。そんなスケートを見せてくれます。

フラメンコ音楽に乗って、いきなり三連続のコンビネーションジャンプを跳んできました。これはトリプルフリップ+ダブルトウループ+ダブルループですね。とても綺麗でした。ステップから入る難しいジャンプだったと思います。次もコンビネーションです。トリプルルッツ+ダブルトウ。彼女は踏み切りから着氷までかなり正確なジャンプを見せてくれますね、これもしっかり決まりました。その後はトリプルループのはずが1回転になってしまいました。これはもったいないミスでしたね。その後は足換えのコンビネーションスピン。ポジションも回転も綺麗です。少し体が重そうにも感じなくは…ないかな。そして、ストレートラインステップを中盤に持ってきました。あまりじっくりとは見せなかったけど、音楽に合っていて滑らかなステップでした。続くトリプルフリップは、基本をしっかり守ったお手本のようなジャンプでした。次のジャンプはコンビネーションジャンプではありません。ダブルアクセルを跳んだあと、その着氷足で次のジャンプへと踏み切っていればコンビネーションジャンプなのですが、この場合最初のダブルアクセルを下りてから、つなぎを入れて次のトリプルトウに入っていますよね。これは複数のジャンプが一連の流れになっている、ジャンプ・シークエンスといいます。この場合はダブルアクセルとトリプルトウループのジャンプシークエンス、となります。これもしっかり決まりました。そして足換えシットスピン。少し回転がゆっくりでしたね。

終盤に入って、スパイラルシークエンスを見せます。彼女も村主と同様あまり高く脚は上がりませんが、魅力的名スパイラルを研究している選手ですね。でも、180度開いたバレエジャンプ(脚を真横に開いて跳び上がる)を入れていました。そして終盤にもジャンプを入れています。まずはトリプルルッツ。「ああこれはルッツだ」と初心者でもはっきり分かる跳び方なんです。エッジの使い方、踏み切りのときの態勢など本当に基礎がしっかりしているんですね。最後のジャンプはトリプルサルコウ。これも流れがあって綺麗でした。サルコウは足が「ハ」の字になるので分かりやすいジャンプですね。序盤にループが1回転になった以外にミスはありませんでした。ラストへと盛り上がる音楽に乗って、足換えのコンビネーションスピンフライングシットスピンを見せて笑顔のフィニッシュでした。観客は地元選手の素晴らしいパフォームにスタンディングオベーションを贈っていました。

得点はパーソナルベストとなる118.26で、ショートプログラム5位から一気に首位に踊り出ました。かなり実力のある選手ですからね。SPとFSの合計得点は173.86で村主を抜いて見事優勝!!この逆転劇には驚かされました。5位だったショートプログラムは、BS朝日の放送では端折られてたんですよwあるフィギュアスケート雑誌で、荒川静香やミシェル・クワン、スルツカヤの世代から、次の世代を通り越して金妍兒や浅田真央、マイズナーの世代へと移っていってしまうのだろうかと書かれていたことがあるんですが、スケートアメリカでは安藤美姫、このスケートカナダではロシェットと、しっかり真ん中の選手達に世代が受け継がれていますよね。去年はみんな五輪シーズンというプレッシャーもあって、思うような演技をGPSや世界選手権で見せられなかったのかもしれないですね。ロシェットもキム・ユナと同じく2試合目はフランス杯(トロフィー・エリック・ボンパール)です。安藤美姫、マイズナー、金妍兒とポイントランキングの上位者が総当りのような試合ですから、これで上位に行けばファイナル出場はほぼ確実。ぜひ頑張ってほしいと思います。

Rochette
(SP5位からの逆転優勝、カナダのジョアニー・ロシェット)

Joannie Rochette 2006 Skate Canada FS「ドン・ジュアン」

4位はアリッサ・シズニー。転倒がひとつあったものの、フリーの得点では3位でした。ジャンプの精度がよくなってきているのは感じましたが、やっぱり転倒は多いですね。次の試合となるカップ・オブ・ロシアではもっと素敵な演技が見られると期待したいです。ショートプログラム3位のスザンナ・ポイキオは5位。フリーではミスが目立ってしまったんですね。激戦のフランス杯に彼女もエントリーしていますが、着実な演技でひとつでも上の順位を取れるといいなと思います。日本の恩田美栄はフリーで挽回し、11位から7位に上がりました。ショートプログラムの「春の海」ですが、再考が必要だと思います…。

Ladies_podium
(2006スケートカナダのメダリスト)

大会結果(ジャッジスコアも含みます)

ポイントランキングのトップは依然日本の安藤美姫。ロシェットが2位となります。それは、安藤のほうが獲得した得点が高いためですね。(そこで差をつけないと同点が続出しますからね)スケートカナダは高得点ラッシュとはならなかったので、次の試合では高い点数を取ってほしいと思います。ロシェットもスケートアメリカに当てはめれば三位ですからね。村主や金妍兒は表彰台に乗れていないことになります。まぁ何度も言うようにここが面白いんですがw

次はカップ・オブ・チャイナです。時差が少ないので結果をすぐに知れそう。テレビ放送枠はやっぱり少ないです。私はBS朝日で見るので大丈夫ですが、地上波のほうはかなり短い時間の放送となるようです。日本からは中野友加里、浅田舞、澤田亜紀が出場します。中野は優勝者予想でもトップに挙がっていました。新プログラム「シンデレラ」がとても気になります。ここでソコロワに1位を譲ってはいけません。頑張ってほしいと思います。舞ちゃんは四大陸選手権、スケートアメリカとシニアの世界大会を少しずつ経験してきているので、緊張せずに無理せずにゆったり滑ってほしいと思います。澤田亜紀はこれがシニア世界大会デビューとなります。浅田真央が出なくなったジュニア国内大会では彼女がトップの選手でしたが、まだまだ世界で勝負できるような高得点や高難度の技は出ていません。大舞台を楽しんでくれたらいいなぁと思います♪アイスダンスのTanith Belbin & Benjamin Agosto組も出場。要チェック!!

毎週末がフィギュアスケート、楽しい!!
エキシビション見逃して悔しいですが…。

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